マリーゴールドの現実

「幻惑」から「現実」へ

分身の役目

 ブログなんか書いている場合じゃないのだが、時間帯がちょうど良いので書き始めている。今朝やっと今日の一枚を書いた。これ以上書けるものかどうかわからないが、今はブログを書き始めた。というのも私のブログの題名が出ているはずのところに、何か月も前に書いた一つのブログのタイトルが出ているので、新しく書いたらまた元に戻るだろうかと思ったからである。全く暇なやつである私は。私はそこを最後に読んだ覚えはない。それなのに出てくる。昨日も一枚で終わった。こんな調子では間に合わないかもしれない。もうこれを十か月もかけて書いている。まだ書き終わっていない。書き急ぐまいとして書いてきたものだが、こう遅いとただのサボりになってしまう。せいぜい一日に三枚は書きたいものである。それぐらいがちょうど書き急いでもおらず、サボってもいない線であろうか。私が書くはずだった大山登山は書かないことにした。昨日たまたまNHKで大山登山があっていた。夏山のようであった。

 大山登山は夏山の予定だった。しかし今年は災害続きだった。鳥取の大山には災害の影響はなさそうだったが、主人公たちの住んでいるところは災害が起きたのだった。行こうと思えば行けたのかもしれないが、仕事が俄かに忙しくなったことと、災害によって気持ちが萎えているかと思ったので取りやめにした。始めはユートピアコースをとる予定だった。しかし、長期間スポーツをやっていない人と同行することになったので夏山登山道に変更した。しかし、登山自体をやめにした。テレビの大山登山はそれほどじっくり見たわけではなかったが、感興が湧いたことは湧いた。花々が美しいようである。普通なら大山登山にも実際挑戦してから書くのが当たり前かもしれないが、私にはそれができない。全く想像の産物になる。しかしテレビはありがたいものである。少しなりと様子を見ることができる。それでも大山登山自体が筋にさほどの影響がないこともあるし、私の未経験による書けなさはばれなくて済んだ。

 副主人公の一人は大学時代山岳部だったことになっている。主人公ではないから、あまり書き込む必要もない。主人公は心の病気である。この人が登山に同行するのではなかった。別の登場人物とである。ゆるい三角関係である。一点はもちろん主人公である。あとの二点は副主人公たちである。主人公を書き込まねばならない。ちょっと話が逸れ気味ではあるが、二百枚以上の予定なので、筆はあちこちする。それでもう時間があまりない。普通だったら十分あるのだが、今は普通の状態じゃない。書き急ぎをどうにかしたいのと、描写力を高めたいのとあったが、描写力のなさはどうにもならない。私の作には自然描写が極端に少ない。心理描写は少しあるが、心理描写に偏ったら、線の細い文学性になりがちである。主人公は当然のことながら筆者である私の分身でもある。私小説ではないので、まんまではない。

 まんまで思い出したが、イタリア語のマンマ、私はよく登場させる。処女作もそうだった。パソコン上で失われてないのだが、処女作もマンマが出てくる。西九州文学30号の作はローマが舞台で京都も出てくるが、イタリア人たちの物語であり、そこにもマンマが出てくる。それから今ある賞に投稿している作にもマンマは出てくる。それは処女作同様ミラノが舞台である。処女作には東京も出てくる。今投稿している作にはミラノしか出てこない。マンマは重要である。主人公ではないが。今投稿している作にはほんのちょっとしか出てこず、作品の筋に影響するほどでもないが。パパも重要である。処女作と30号作のパパは相当に重要な役割である。30号作はこのパパあっての話なのである。主人公ではないのだが。主人公の有りようを決定づける役割である。私の作はおめでたいもので、殺したりというようなことはない。殺すという非日常を取り入れるのはあまり好まない。

 しかし今書いているサボり気味の作の主人公は死を遂げるかもしれない。それで筆が進まないのだろうか。もしかしたらそうかもしれない。今の日本社会は少し減ったらしいが年間約三万人は自殺する。だからそう珍しいことではないのだが、特に筆者の私には死の欲求があるから、分身に死んでもらおうかなどと考えている。ヴァージニア・ウルフは結局自殺したが、作品には分身の死によって、主人公である筆者を救っているところはある。私の死の欲求は差し迫ったものではない。しかし、十年先の問題ではある。今の歳からの十年は短いだろう。その前に死ねたらそれはそれでいいのだが、一つぐらいはいいものを書いておく必要はある。今書いている作は越えねばならない作ではあるが、代表作にはなり得ないだろう。私の代表作とはいかがなものだろうか。家族が泣くような作ではありたくないとは思っているが、そこは自信がない。私の作には矛盾がいっぱいである。嘘もハッタリもある。しかし作品世界に矛盾も嘘もハッタリもない。作品世界は作品世界で完結している。ここまでお付き合いくださってありがとうございます。