マリーゴールドの現実

「幻惑」から「現実」へ

不可逆的メール展開か

 前回、編集の途中経過を書いたが、編集作業はとうの昔に終わった。あと半分についてはここでは書かないが、フェイスブックには新人お3人のお作が素晴らしいことは書いた。ぜひお手にとってお読みいただきたいものだ。45号はいつもの倍近くにはなるだろうが、値段はいつも通りだと思う。まだ発行されてはいない。まだ印刷所にある段階である。「西九州文学」は創刊時、新聞記者や学校の先生などによって設立された。創刊号は素晴らしかった。2号以降は、それから入会された宮崎氏と設立同人の定来氏を除いて、パッとしない時期が続いた。定来氏は安定的に一定のレベルの作を発表され続けた。宮崎氏もいかにも小説的な作を書かれた。川道氏は創刊号も大きな作だったが、時々いい作を書かれたようだ。田中氏は器用だが、小説とエッセイのスレスレのところを書いておられた。詩人の高宮氏の創刊号の詩はすごい詩だったが、2号以降パッとしなかった。

 私が入会した29号時は、詩人の高宮氏以外の上記4名の方々はご健在だった。と言っても、定来氏はもうなかなか書けないでおられた。川道氏は枯れた短編を発表されたりしていた。田中氏は最後に「摩利ちゃん」といういい作を書かれた。というのもその後、川道氏、田中氏、定来氏と次々と他界されたのである。宮崎氏は引退された。高宮氏の逸話はその後、田中氏の筆によって書かれたので、読めば知ることができる。そのほかに緑川氏という時代ものを書く方がおられた。この方も教師だった方で、彫刻家でもあられたが、今は病で引退しておられる。いつもは時代ものを書かれるのに、私が入会した号では、アスペルガー症候群の男の子を書いておられる。私という存在に触発されたのではないかという気がしたが、時系列的にそれは考えられない。まだお会いしていなかったからである。居原さんは面倒見がよろしくて、新人の私に色々とお気を使ってくださった。当時私は髪を染めていなかった。

 徳永さんという方は雲仙の方で合評会には時間をかけてこられた。当時は私がグレイヘアで貧乏たらしい服装をしていたせいか、徳永さんはわざわざ御髪をまだらに染めて、身をやつしてこられた。そういうことを居原さんから聞かれていたのだろう。しかし私は合評会にはいつもよりマシな格好をして行った。髪は染めていなかったが。私はなんと思いやりのある方だろうと、思ったものだったが、それから数年は徳永さんとはあまり縁がなかった。私は無理ができない身であったので、同人には長いことなれなかった。宮崎氏が編集者を退かれて、徳永さんが編集者になられたある時電話で話していて、私に編集の方達のお作を編集してもらえないかと打診された。当時徳永さんと居原さんが編集をなさっていたので、そのお二人の分ということだった。自信はなかったが、引き受けると、私の編集が気に入られたようで、同人に推薦されてしまった。私は生涯会員のつもりだったが、とうとう同人になってしまった。

 編集委員になってからは、徳永さんとはメールでやりとりするようになり、メル友となった。それから私よりも後で入会されて、メキメキと頭角を表された寺井氏に編集者兼発行者になっていただき、彼の指揮のもと、編集委員を務めるようになったので、この方ともメールをやり取りをすることはあるが、無駄なことは一切書かれない方で、用件だけの方なので、メル友とは言えないだろう。居原さんはあまりパソコンを開けられない方で、メールを出してもあまり気づかれない。メル友とは言えないだろう。あとお一人西九州文学会の方ではないが、地方紙の生活文化科の記者だった方で、ご縁のあった方とメールをやり取りするようになったが、私があまりにも非常識かつ愚痴っぽいのに呆れられてかこのところお返事がない。多分、もう見切りをつけられたのだろう。この方も必要最小限なことしか書かれない方である。

 なぜ皆さんこんなにも、常識あるのか。私は余計なことのオンパレードである。書き出すと長々と書くし、遠慮というものを知らない。まあ、見切りをつけられてもしょうがないのである。いったん花開いたかに見えたメール展開だったが、このところまた下火になり始めている。元の孤独な私に戻りつつある。メールのやり取りはありながらも孤独は孤独だったが。私のメールの内容を見たらそりゃ敬遠したくなるよなと、自分でも思う。ともかく私には才能というものがない。小説の才もなければ、人付き合いの才もない。尻ごみばかりしている私など、人様の足を引っ張るだけである。かといって表に出る器でもない。常識のないことは小学生並みである。芸能人からメールが来たと思う私である。一方で詐欺だろうと騒ぐ。メル友一人いない私に芸能人からメールなど届くものか。ヤスキヨさんたちは芸能界は汚いところと言っていたではないか。そんな世界に住む人が、私なんぞにメールをやるようだと命取りだからして、ありえない話である。この非常識さで煩わせたのであった。